必要な時だけ服用するPrEP

オンデマンドPrEP
2-1-1服用法完全ガイド

毎日飲む必要がないPrEP。性行為の24時間前に2錠、直前に1錠、24時間後に1錠の「2-1-1」方式で、 必要な時だけHIV予防ができます。デイリーPrEPとの違いや、あなたに合った選択方法を解説します。

ABOUT ON-DEMAND PrEP

オンデマンドPrEPとは

オンデマンドPrEP(イベント駆動型PrEP)とは、HIV感染リスクが高い性行為の前後にのみPrEP薬を服用する方法です。毎日服用する必要がなく、必要な時だけ予防できるため、性行為の頻度が低い方や、特定のパートナーとのみ性行為を行う方に適しています。

2015年に発表されたIPERGAY研究(NEJM)では、オンデマンドPrEPがデイリーPrEPと同等の予防効果(86%の感染リスク低減)を示すことが実証されました。これにより、欧州やアジアの多くの国でオンデマンドPrEPが推奨されるようになりました。

日本では、毎日服用が難しい方や、性行為の頻度が週1〜2回以下の方に、医師がオンデマンドPrEPを提案することがあります。

オンデマンドPrEPの主な特徴

  • 性行為の24時間前から服用開始
  • 毎日飲む必要がない
  • 薬代を抑えられる可能性あり
  • 副作用リスクが低い(服用日数が少ない)
  • 計画的な性行為に適している

2-1-1 DOSING

「2-1-1」服用法の詳細

性行為のタイミングに合わせた正しい服用スケジュール

標準的な2-1-1服用スケジュール

IPERGAY研究に基づくプロトコル

2錠性行為の24時間前

予定された性行為の24時間前(早めに2〜24時間前)に、PrEP薬(テノホビル・エムトリシタビン配合錠)を2錠服用します。

1錠性行為の直前(2〜24時間以内)

最初の服用から2〜24時間以内に、性行為の直前に1錠を追加服用します。これで体内の薬物濃度が十分に高まります。

1錠性行為の24時間後

性行為から24時間後に1錠を服用します。これにより予防効果を維持します。

1錠さらに24時間後(オプション)

複数回の性行為がある場合や、リスクが高い場合は、さらに24時間後に1錠追加服用します。

計画的な性行為の場合

予定が分かっている場合は、24時間前の2錠から開始できます。パーティーやデートの予定がある場合は前日から準備しましょう。

急な性行為の場合

急な場合は、できるだけ早く2錠を服用し、性行為の直前に1錠、24時間後に1錠のスケジュールを守ります。2錠を飲んでから2時間以上経てば効果が期待できます。

COMPARISON

デイリーPrEPとの比較

あなたのライフスタイルに合った選択を

比較項目デイリーPrEPオンデマンドPrEP
服用方法毎日1錠性行為の前後に合計4錠(2-1-1)
予防効果99%以上のリスク低減約86〜90%のリスク低減
性行為の頻度頻度に関係なく有効週1〜2回以下に最適
急な性行為常に準備OK2時間前の服用が必要
薬代(月間)固定(30錠分)変動(性行為の回数による)
副作用リスク毎日服用のためやや高い服用日数が少ないため低い
腎機能モニタリング3ヶ月ごと推奨3〜6ヶ月ごと推奨
飲み忘れのリスク毎日の習慣化が必要性行為に紐付くため分かりやすい

デイリーPrEPが向いている方

  • 性行為の頻度が週2回以上ある方
  • パートナーが複数いる方
  • 急な性行為の機会が多い方
  • 毎日の服用を習慣化できる方
  • 最大限の予防効果を求める方

オンデマンドPrEPが向いている方

  • 性行為の頻度が週1回以下の方
  • 特定のパートナーとのみ性行為を行う方
  • 計画的な性行為が多い方
  • 薬代を抑えたい方
  • 毎日の服用が難しい方

EVIDENCE

医学的根拠と臨床研究

オンデマンドPrEPの効果を裏付けるエビデンス

IPERGAY研究(2015)

New England Journal of Medicine

フランス・カナダ共同実施のランダム化比較試験。男性間性行為を行う男性を対象に、オンデマンドPrEP(2-1-1方式)の有効性を検証。結果として、HIV感染リスクを86%低減することが示されました。中間解析で効果が明らかになったため、倫理上の理由から早期終了しました。

リスク低減 86%400名以上の参加者

PREVENCIÓN研究(2021)

The Lancet HIV

スペイン・バルセロナで実施された大規模前向き研究。オンデマンドPrEPを2,000名以上に提供し、実世界での有効性を確認。2-1-1方式を正しく遵守した参加者では、HIV感染ゼロに近い結果が得られました。

実世界データ2,000名以上の参加者

WHOガイドライン(2022)

World Health Organization

WHOは2022年のガイドラインで、オンデマンドPrEPを「デイリーPrEPと同等の代替オプション」として正式に位置づけました。性行為の頻度が低い方や、毎日の服用が困難な方への選択肢として推奨されています。

WHO推奨グローバル基準

医療免責事項

上記の研究データは特定の集団における結果であり、個人差があります。オンデマンドPrEPの効果は、正確な服用スケジュールの遵守に大きく依存します。医師の診察に基づく適切な指導のもとで服用してください。

FAQ

オンデマンドPrEPに関するよくある質問

はい、同じ薬(テノホビル・エムトリシタビン配合錠)を使用します。服用方法が異なるだけで、薬剤自体は同じです。オンデマンド服用の場合は、必要な時にまとめて処方していただきます。

服用スケジュールを守らないと、体内の薬物濃度が不十分になり、予防効果が低下するリスクがあります。特に最初の2錠から性行為までの間隔が短すぎる(2時間未満)場合や、性行為後の1錠を忘れた場合は効果が弱まる可能性があります。

性行為の頻度によって異なります。週1回以下の方は、月に4錠程度で済むため、デイリーPrEP(月30錠)より薬代を抑えられます。ただし、予定外の性行為が増えた場合は、デイリーPrEPの方が経済的なこともあります。

はい、必要です。開始前のHIV検査・腎機能検査は必須です。服用中も3ヶ月ごとの定期検査を推奨しています。デイリーPrEPと同様に、医師管理下での安全な服用が重要です。

PrEP薬剤は日本では予防目的での正式承認を受けていませんが、医師が患者個人の状態と医学的判断に基づき適応外処方を行うことは可能です。当クリニックでは医師の診察に基づき、オンデマンドPrEPも安全に処方しています。

週2回以上性行為がある場合は、デイリーPrEPの方が適しています。オンデマンドPrEPは週1〜2回以下の方に最適で、頻度が高いと服用スケジュールが複雑になり、飲み忘れのリスクが増えます。

PrEPはHIV予防に特化した方法であり、他の性感染症(梅毒・クラミジア・淋菌・ヘルペスなど)の予防効果はありません。他の性感染症予防にはコンドームの使用やDoxy PEPの併用を推奨しています。

当クリニックのオンライン診療で医師にご相談ください。性行為の頻度・パートナーの状況・既往歴などを確認し、オンデマンドPrEPが適しているかどうかを判断します。適応と判断された場合は、2-1-1服用法の詳細な指導とともに処方いたします。

あなたに合ったPrEPを選ぶ

デイリーPrEPとオンデマンドPrEP、どちらが自分に合っているか分からない方は、 オンライン診療で医師にご相談ください。ライフスタイルに最適な予防プランを提案します。

監修:北梅田SKクリニック 院長 木内俊一郎

所在地:大阪市北区茶屋町

最終更新日:2026年4月

本サービスはオンライン診療により医師の診察を行い、医師の判断に基づき処方を行う医療サービスです。